京都の7月は祇園祭。1150年前に京都で疫病や災害が流行ったときに、人々はそれを悪霊のしわざと考え、それを鎮めるために八坂神社の神様を御神輿にのせて町中まで運んだのが始まりだそうです。各町内の山鉾は先導役として美しい装飾品・美術品と音楽とダンスで悪霊を誘い、絡み取りながら市内を巡行し、神様はしばらく滞在したのち神社に帰ってゆくのです。
総勢33基の山鉾はそれぞれ個性派ぞろい。写真はそのひとつ放下鉾(ほうかほこ)をデザインした湯のみです。放下鉾は街角で芸を披露しながら仏法を説く放下僧(ほうかそう)を祀る鉾だそうで、妄念を捨てて技芸練磨に専念することを禅語で放下(ほうげ)というのだそうです。
長刀鉾は高さ20メートル以上で悪霊たちも思わず誘われてしまう美しいシルエット。コンコンチキチンのお囃子も風情があります。これから後祭りも楽しみです。